十割そばについて
当店のお蕎麦を召し上がって頂いたお客様から「十割そばってもっとボソボソしてるイメージだった」「十割そばってもっと黒いんじゃないの?」というお声を頂くことがあります
確かに十割そばでも黒かったり、白かったり・・・そこで皆様のギモンにお答えすべく「蕎麦鑑定士」の資格を持つ店主が当店のお蕎麦について詳しく説明いたします!
十割そばにも色々ある?
お店によってそばの色は様々です。そうめんのように白いそばもあれば真っ黒な蕎麦もあります
一般的なお蕎麦には小麦粉を入れるから白っぽいお蕎麦になるのはわかるけど十割そばが白いのはなんで・・・?そう思われる方もいらっしゃいます。でも真っ白な十割そばもあるんです!
その理由を説明する前に「そばの実」についてご説明いたします
「そばの実」が収穫されたばかりの状態は黒くてかたい殻(外皮)がついています。
これは「玄そば」と呼ばれお米で言うところの「玄米」の状態です。
また、玄そばの殻を脱皮したものを「抜き実」と呼ばれます。
一口に「そば粉」といってもお店によりどのようなそばの実を使うかは千差万別、どんなそばを作りたいかによって色々とそばの種類がわかれているのです。
白いそば粉も黒いそば粉もある?
「そばの実」の中は実は複雑に分かれていて黒い部分ばかりではありません。中心部の周りの胚乳は白く小麦粉のような白さで「更科粉」とか「御膳粉」と呼ばれています。
当店では使用しておりませんが、この粉で十割そばを作るとツルツルっとした食感でそうめんとか冷や麦のようなのどごしになります。
対してこちらが玄そばを殻ごと挽いた「挽きぐるみ」と呼ばれる粉です
こちらは殻ごと挽いているので黒い部分もそのまま混ざっています
そばの実は中心から外側になるにつれ緑色が濃く、風味も強くなりますが、もそっとした、ざらざらとした食感になります。
こちらは抜き実を石臼で挽いたそば粉です
「十割そば 古賀」では食感もよく、風味もたのしんでいただきたいとの思いから店内の石臼で挽いた「挽きぐるみ粉」と「抜き実粉」を、バランス良く配合し、のどごし良くそばの香りも強いお蕎麦が出来上がります。
この様に真っ白いそば粉もあれば黒いそば粉もあります。
色々なそば粉で十割そばを作ってみよう
実際に各そば粉を使ってそばをつくってみました
更科粉を煉ると真っ白な生地になります
こちらが玄そばの生地
比べてみると同じそば粉といってもこれだけの差があります
奥にあるのが当店の蕎麦ですが若干緑色をしているのが良くわかります
それでは茹でてみましょう 違いにびっくりしますよ!
こちらが更科粉で作った十割そばです 真っ白で本当に蕎麦なの?という色合いですね。こちらは香りが若干弱く、のどごしの良いつるつるっとした食感です
更科そばと玄そばをならべてみました。同じ十割そばでも使う粉によって色の濃いそばから真っ白いそばまで作ることができます。
いかがでしたでしょうか?同じ十割そばといっても色々なそばの形があります
どのそばが良いとかはありません。それぞれに特徴がありますのでお蕎麦屋さん巡りをして皆さんにとってこれが美味しい十割そばだ!というお蕎麦に出会えて頂けたらと思います。