当店の蕎麦ができるまで
当店の蕎麦ができるまで
当店のお蕎麦を召し上がって頂いたお客様から「十割そばってもっとボソボソしてるイメージだった」「十割そばってもっと黒いんじゃないの?」というお声を頂くことがあります
確かに十割そばでも黒かったり、白かったり・・・そこで皆様のギモンにお答えすべく「蕎麦鑑定士」の資格を持つ店主が当店のお蕎麦について詳しく説明いたします!
十割そばにも色々ある?
お店によってそばの色は様々です。そうめんのように白いそばもあれば真っ黒な蕎麦もあります
一般的なお蕎麦には小麦粉を入れるから白っぽいお蕎麦になるのはわかるけど十割そばが白いのはなんで・・・?そう思われる方もいらっしゃいます。でも真っ白な十割そばもあるんです!
その理由を説明する前に「そばの実」についてご説明いたします
より詳しくご説明が出来たらと思い、当店で「そばの実」をいつも仕入させて頂いてる「神奈川農産工業」さんにご協力いただきました
そばの実がお店にくるまで
「そばの実」が収穫されたばかりの状態は黒くてかたい殻(外皮)がついています。
これは「玄そば」と呼ばれお米で言うところの「玄米」の状態です。
「十割そば 古賀」で使っているそばの実は「抜き実」とよばれる蕎麦の実です。
どちらも同じそばの実なのですがどういうことなのでしょうか?農産さんの現場で実際に見てみましょう
写真の左側から右に向かって色々機械があります。それぞれの役割はというと・・・
始めにこちらの機械で玄そばについている汚れを落としてきれいにします
そしてその先にあるのが・・・
こちらの機械。これは入荷してきた玄そばを篩(ふるい)にかけて大きさごとに選別する機械です。ぱっと見はみんな同じ大きさに見えますが粒の大小をしっかりと揃えるのですね!
大きさを5段階ほどに選別したあとに玄そばが向かう先は・・・
こちらの玄そば脱皮機です。この機械を通ることによって玄そばの殻が取れて当店で使用している
「抜き実」となるのです
一口に「そば粉」といってもお店によりどのようなそばの実を使うかは千差万別、どんなそばを作りたいかによって色々とそばの種類がわかれているのです。
白いそば粉も黒いそば粉もある?
「そばの実」の中は実は複雑に分かれていて黒い部分ばかりではありません。中心部の周りの胚乳は白く小麦粉のような白さで「更科粉」とか「御膳粉」と呼ばれています。
この粉で十割そばを作るとツルツルっとした食感でそうめんとか冷や麦のようなのどごしになります。
対してこちらが玄そばを殻ごと挽いた「挽きぐるみ」と呼ばれる粉です
こちらは殻ごと挽いているので黒い部分もそのまま混ざっています
そばの実は中心から外側になるにつれ緑色が濃く、風味も強くなりますが、もそっとした、ざらざらとした食感になります。
こちらが当店で使用しているそば粉です
「十割そば 古賀」では食感もよく、風味もたのしんでいただきたいとの思いから若干の玄そばと抜き実を併せて石臼で挽いているのでのどごし良くそばの香りも強いお蕎麦が出来上がるのです
この様に真っ白いそば粉もあれば黒いそば粉もあります。
色々なそば粉で十割そばを作ってみよう
実際に各そば粉を使ってそばをつくってみました
奥にあるのが当店の蕎麦ですが若干緑色をしているのが良くわかります
それでは茹でてみましょう 違いにびっくりしますよ!
更科そばと玄そばをならべてみました。同じ十割そばでも使う粉によって色の濃いそばから真っ白いそばまで作ることができます。
いかがでしたでしょうか?同じ十割そばといっても色々なそばの形があります
どのそばが良いとかはありません。それぞれに特徴がありますのでお蕎麦屋さん巡りをして皆さんにとってこれが美味しい十割そばだ!というお蕎麦に出会えて頂けたらと思います。
また今回の説明に対し、忙しい中取材にご協力いただいた神奈川農産工業様に深くお礼を申し上げます。
毎年10月には瀬谷区にある神奈川農産さんの畑で「そば祭り」が催されるのでご興味のある方は是非遊びに行かれてみてはいかがでしょうか? 詳細はこちら